アジサイ(14年6月)

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写真(1)「コミュニティー花壇のガクアジサイ
Photo: Junko Kato

 

 

雨にアジサイが映える季節となった。
淡いブルーからピンクの混ざったアジサイを見ていると
梅雨のうっとうしさが和らいで来る。
最近はアジサイも種類が豊富になってアナベルという
乳白色の大きな毬状の花や、日本からヨーロッパへ渡って品種改良をされた
ハイドランジアという花房も大きく色もはっきりしたブルーやピンク、
赤の派手なものが出回っているが、日本の庭にはやはりヤマアジサイ
ガクアジサイがしっくり馴染むように思われる。
私の庭にはここ数年でヤマアジサイガクアジサイが何本も増えた。
ガクの色が一つずつ違い咲き始めと終わりでは色も変化する
これらの種類は派手さがないが心が落ち着いて来る。

写真(1)は7年前に鉢植えでもらったガクアジサイをコミュニティー花壇
に移植したもの。上手く育って背丈程の大きさになっている。
交通量の多いところで、「飛び出し注意」の看板が見えている。
こんなところでも季節感が出て道行く人が愛でてくれる。

 

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写真(2)「柏葉アジサイ

 

 

写真(2)は自宅玄関前の柏葉アジサイ
柏の葉のようで紡錘状の花を咲かせ、
始めの白から乳白色で枯れてくると茶褐色を混ぜたような
とても表現出来ない錆色で7月まで咲いている。

和庭のアジサイでは、京都の大原にある苔むした三千院
寂光院の庭のアジサイは趣があるだろう。
この季節には訪ねたことがないが、
細い薄暗い階段を上がったところにある寂光院アジサイを訪ねてみたい。
鎌倉時代からアジサイがあったとすれば平家一門と子供を亡くし、
浮き世の憂いに沈んだ建礼門院を慰めてきたのかもしれない。

神戸の六甲山でもアジサイは沢山見られる。
シチダンカという種類のアジサイは、
シーボルトの植物記録には載っていたがしばらく見られなくなって
幻のアジサイと言われていたところ、六甲山で発見されたという。
私もアメニティー2000協会の建物の保存運動に参加している時、
建築家ヴォーリーズの建てた築80年の六甲山荘で
八重咲きの楚々とした小さい花のシチダンカを見かけたことがある。
部屋の名前にもシチダンカと命名されて名札が掛かっていた。

雨の日はアジサイの色を絵の具で描いて遊んでみるのも一興かもしれない。

 

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