読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ツツジ(16年5月)

f:id:hana-nikki:20170126222526j:plain

6/4/22 北山コバノミツバツツジ

 

薄紫色の山ツツジ「コバノミツバツツジ」を始めて見たのは20代の頃でした。
当時京都に住んでいた私は、
後に結婚した夫の案内でこの地を訪れたことがありました。
西宮の阪急苦楽園の駅から住宅街を抜けて、小高い丘の上まで上がると
山道のあちらこちらにこの花が咲いていたのです。
園芸種のツツジとは違う薄紫の花が山を彩り、
砂礫が川のように流れて谷をつくっていた不思議な景色が思い出されます。

今その辺りは学校や住宅が建ち並び昔の様子はなくなりましたが、
東の方の「北山公園」は公園として保護されているので、
春にはいたるところに「コバノミツバツツジ」を見ることが出来ます。
六甲山系の山裾にあたるこの地域はわき水が豊富で、
ため池の周辺でもこのツツジは咲いています。

 

f:id:hana-nikki:20170126222537j:plain

16/4/22 北山池のコバノミツバツツジ

 

あれから半世紀近い月日が流れ、幾多の変遷を経てきたものの
「コバノミツバツツジ」は変わらない色で咲いていました。

 

*****

 

モクレン(16年4月)

f:id:hana-nikki:20170126222032j:plain

咲き始めのハクモクレン

 

まだ肌寒い3月中旬、近くの丘の上でハクモクレンが咲き始めていました。
澄み切った青空に映えて咲く純白の花は、
桜の開花に先駆けて春の訪れを告げているようです。

10日後に再び訪ねると紡錘形の肉厚の花びらは開き、
既に賑やかな程の満開となってハラリハラリと散り始めていました。
うかうかしていると植物達は一刻の猶予もなく時を刻み、
季節は移り変わってゆきます。

 

f:id:hana-nikki:20170126222042j:plain

満開のハクモクレン

 

4月に入ると同じモクレン科の「紫モクレン」や「コブシ」が咲き、
六甲山では「タムシバ」が山肌に白い花を点在させます。
ロープウェイから見える白い固まりが、それであることが分かったのは、
後になってからのことでした。

もう8年も前になるでしょうか?
ハクモクレンの白い花に魅せられて、
庭に植えようと植木屋さんに頼んだことがありました。
届いたのは何と「黄モクレン」で、この方が上等だと言うのです。
当時は1メートル程の苗木だったのに、3、4年で5メートルにもなって
ハクモクレンより1ヶ月遅く淡黄色の大輪の花を咲かせます。

花の命は短く、本当に美しい時期はつかの間ですが、
今年も折々の花に接して、身近なところで季節の
移り変わりを感じていきたいと思っています。

 

f:id:hana-nikki:20170126222052j:plain

咲き始めのハクモクレン

 

*****

 

クリスマスローズ(16年3月)

f:id:hana-nikki:20170126221424j:plain

しだれ梅とクリスマスローズ

 

寒暖を繰り返しながらようやく温かくなってきた2月末、
久しぶりに外へ出てみると、
庭の片隅にクリスマスローズが咲いていました。
玄関前の花壇では葉ばかり茂って邪魔になり、
数年前に南の庭の隅に移植したこの花は、
木漏れ日の場所が気に入ったのか
いつの間にか大株となって沢山の花を咲かせていました。

 

f:id:hana-nikki:20170126221436j:plain

クリスマスローズは比較的交配が容易なため
さまざまな色や形、模様があり、
愛好家にとっては、新しい品種を作出するのと
多くの花は咲いてみないと分からないのが魅力だそうです。

2月から3月にかけて咲くこの花が、
なぜ「クリスマスローズ」なのか?と思っていると、
欧米では「ヘレボルス」と呼ばれ、
その原種の「ニゲル」は12月から咲くとのことでした。

今年はクリスマスローズを写真に収めたり
切り花にして鑑賞してみると、その魅力が分かり
次第に愛着が湧いてきました。

 

f:id:hana-nikki:20170126221448j:plain

切り花にして生けたクリスマスローズ

 

*****

 

ヒヤシンス(16年2月)

f:id:hana-nikki:20170126220752j:plain

苔玉作り

 

2月になると大雪が降った情報がある中にも日差しは明るく
春の兆しが感じられるようになりました。
寒いうちから準備を怠らなかった庭のモクレンや梅の木は
蕾が大きく膨らんで今にも咲きそうです。

春は芽吹きの季節、土の中から木々の芽から
いっせいに命が謳歌するような植物の営みを見ていると
冬ごもりから抜け出して何かやってみようと元気をもらえます。

そんな折、苔玉教室の誘いを受けてヒヤシンスの苔玉を作りました。
苔玉に植えたヒヤシンスは、緑のマントに包まれて温かそうで、
ガラス鉢の水栽培とは違った和の趣が感じられます。
肉厚の葉っぱの間から出た芽はだんだん伸びて下の方から咲き始め、
優しい反り返った花びらが無数に重なります。
刻々と変化する様子を窓辺で間近に見て楽しめそうです。

ヒヤシンスはチューリップと同じく初期はオスマントルコで栽培され、
ヨーロッパに渡ってオランダで品種改良がなされて
2,000種以上もあるそうです。

花壇に植えるには花が小さくインパクトに欠けるので
忘れかけていたのですが、ヒヤシンスの魅力を再発見しました。

 

f:id:hana-nikki:20170126220807j:plain

 

*****

 

シクラメン(15年12月)

f:id:hana-nikki:20170126220131j:plain

マンション植え込みのシクラメン

 

花屋さんに赤、白、ピンクのシクラメンの鉢植えが賑わう頃となりました。
うつむきかげんに咲いた花は、花びらだけが上を向いているので
上を向いて咲いているようですが、
よく見ると花全体は下を向いている不思議なかたちです。
やや透明感のある肉厚の花びらは捻れながらゆらゆらと咲き上がっているので、
和名「かがり火花」の由来ともなったのでしょう。

このように可憐な花であるにもかかわらず、
日本に入ってきた頃はなんと「ブタのマンジュウ」と呼ばれていたそうです。
それはシクラメンの球根がブタの餌になっていたので、
英名「ブタのパン」を訳したことによるものであったとはいえ
少し気の毒な気がします。

その後、植物学者の牧野博士により「かがり火花」と名付けられたそうですが、
シクラメンの響きが良いのか、今では「シクラメン」が通称となっています。

シクラメンの中でも花の大きい鉢物はやや寒さに弱いのですが、
小型のガーデンシクラメンは寒さに強く、
戸外の植え込みに花の少ない時期は、明るい色を添えてくれています。

 

f:id:hana-nikki:20170126220140j:plain

うつむいたシクラメン

 

数年前、お隣の奥さんと
「玄関前の植え込みに何を植えたら良いか」と
話し合っていた時にシクラメンを勧めたことがありました。
赤ではなく白を選ばれました。
白いシクラメンワイヤープランツ
グランドカバーとしていくつか植えられ、
さほど手入れもしていないというのに
毎年綺麗な花を咲かせていました。
ところがその後、いつも玄関先で顔を会わす度に話をしていたのに、
突然帰らぬ人となってしまったのです。

同じ頃に引っ越してきて25年、子育ての大半の時期を共に過ごした仲でした。
白いシクラメンは毎年寒くなると咲き続けているものの、
見ると寂しい花となってしまいました。

 

f:id:hana-nikki:20170126220153j:plain

フリンジ咲きのシクラメン

 

今年は、別の友人がマンションの入り口の
コンテナーシクラメンを植えたとのことで見せてもらいました。
まとめて何十球も植えられた花は赤やピンクや白の2色咲きで、
やや北向きの入り口を明るく彩っていました。
最近は品種改良も盛んになって、縮れた花びらのフリンジ咲き、
八重咲きまで出回るようになりましたが、
そのうつむき加減と瑞々しい花びらは派手な華やかさではなく、
控えめな華やかさであるように思います。

 

*****

 

ホトトギス(15年11月)

f:id:hana-nikki:20170126214908j:plain

ホトトギスの花(とらや菓寮にて)

 

山野草に鳥の名前がついていて有名なものに「サギソウ」があります。
いかにも白鷺が飛んでいるようなかたちです。
ホトトギス」はかたちが似ていないのに
なぜこの名前が付いたのかと思って調べると、
花の斑点の様子が「ホトトギス」の胸の毛の模様に似ているとのことでした。

 

f:id:hana-nikki:20170126214920j:plain

ホトトギスの鳥

 

一度自宅の庭に植えて育たなかった「ホトトギス」ですが、
先日訪れた京都の菓子店「とらや菓寮」の路地に
見事に咲いているのに出会いました。
11月では季節外れの気もしますが、初秋から晩秋まで咲き続けるそうです。

 

f:id:hana-nikki:20170126214931j:plain

ホトトギスの花一輪

 

庭の片隅で咲いているこの花は、地味ながら、
よく見ると個性的なかたちと色を持っていました。
小さな花びらには紫の斑点があり、
めしべは3つに切れ込みがあって
しなるように広がって突出しているのです。
雄しべはその下に隠れるように何本か見られました。
野山で咲いている時に昆虫が
訪れやすいようになっているのでしょうか?
それぞれの花のかたちと色に
そのわけがあるのが不思議です。

ホトトギス」は入り口から庭へ通じる路地に植えられて
その場にしっくりと馴染んでいました。
イングリッシュガーデンが流行る昨今ですが、
弱い日差しの和庭に植えられた山野草もまた心引かれる風景です。

 

f:id:hana-nikki:20170126214945j:plain

路地

 

*****

 

リンドウ(15年10月)

f:id:hana-nikki:20170126213955j:plain

リンドウの寄せ植え

 

夏の暑さが去り爽やかな秋空が広がる頃、
澄み切った空の下でリンドウが咲き出します。
土の中からやっと伸びてきた10センチばかりの
茎の先に付く蕾はふっくらとして、
日が差すときだけ開く小さな杯型の花は、
控えめでおとなしいようでありながら
この季節にふさわしい存在感があります。

野山には、ハギ、ススキ、キキョウ、
オミナエシフジバカマナデシコ、クズなどの
秋の七草が優しく咲き、
草むらには虫たちの声も聞かれる頃に重なります。
リンドウはもともとは野山で見られた花ですが、
最近はほとんど見かけることが出来なくなってきました。

先日、花屋さんでリンドウの青さに引かれてひと鉢を買い求めました。
自宅の庭に植えていたギボウシツボサンゴコクリュウ
ハギ、コスモスケイトウ、アキランサス、アルテルナンテラを加えて
寄せ植えを作ってみました。

リンドウは日本で18種類、世界では400種類もあると言われています。
漢字では「竜胆」と書かれ、
これは漢方薬として有名な「熊胆」に匹敵するくらい苦いので
「竜胆」と名付けられたそうです。

私たちが「アメニティー2000協会」で保存活動をしている、
建築家ヴォーリズの建てた六甲山荘の庭は、
花や球根を植えるとイノシシが来て掘り返されてしまうのです。
もし、リンドウを植えてみたら、果たしてあまりの苦さに
イノシシに食べられないですむか試してみたいところです。

 

f:id:hana-nikki:20170126214005j:plain

リンドウの寄せ植え全景



 

*****